DIARY

山が荒れるコトを嫌う時代

今の時代
この時期になると山には藤の花が見える。
見渡せば遠目でもわかるくらい。

昔は藤の花というのは山にはなかった。
なぜなら、先人達は山へ入り藤ツルがあれば、ナタで伐っていたから。
なぜなら、藤ツルが巻きつけば倒したい木があったとしても
藤ツルが邪魔になり伐らなくてもいい木まで伐ってしまう事になるからだと。
私は聞いた。
だから、藤ツルが山にあるというのは山が荒れている証拠だという。

私の祖父は85歳だ。
3年ほど前に大腿骨を骨折をしてから足がとっても不自由になり
歩くのが困難になってしまった。
骨折する前は、山へ行ったり田んぼしたりと
アクティヴなじいさんであった。
そんな祖父が先日どうしても山へ行くと聞かない。
理由は1つ。
藤ツルが木に巻きついているのが気になるのだ。
そのコトばかり考えてイライラして機嫌が悪かった。
自分でできないから尚更だ。
GWに父が藤ツルを切りに行くのを杖をつきながらついていき
ちゃんと伐るのをチェックしていた。

そして山は綺麗になって祖父はとっても機嫌が良くなった。

私の祖父の時代の人達は山が荒れるのをものすごく嫌う。

どのように教育されたのか、
山をとっても大事にしている。

現代人はなぜそのコトを忘れてしまったのだろうか。

山便り:加藤麻美

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